生理計測とは,心電図・脈波といった心臓循環器系,皮膚電気活動や体温を含む温熱系,筋電図や動作解析といった骨格筋系などのさまざまな指標を用いて,人の生理反応を測定する手法である。
手軽な計測機器の登場により,心理学の領域でも近年生理計測を用いた検討は増加しているように感じる。その中でも特に頻繁に聞くのがBIOPAC社の生理計測機器である。専用のソフトウェアであるAcqknowledgeを用いて,測定中のオンタイムでのグラフ化と,そのデータの記録,フィルタリングといった解析の前処理までをGUI上で行うことができる。スクリプトを使った解析ができない場合にも,頑張って手を動かせば結果を出すことができるのは心強い。
BIOPACは使ってみれば便利である。ただ,ネットで検索しても,生理計測の技法を用いた論文は出てくるものの,「その環境どうやって作ったの?」「実験には実際何が必要なの?」といった素朴な疑問に答えてくれるソースはかなり少ない。
そこで,心理学界隈で生理計測をやってみたい(し,BIOPACにアクセスができる)場合の環境構築の助けとなるような内容をまとめていきたい。
1. BIOPACを用いた心理実験の環境設計の全体 (12/20/2021公開)
2. BIOPACでの測定のベース:Acqknowledgeを開こう (1/18/2022公開)
4. 課題呈示・イベントマークのベース
5. 各指標の測定に必要なもの
なお,これは運用に重きを置いた内容であり,以下のような書籍も併せて参照されたい。
生理計測一般の理論的背景:生理心理学と精神生理学 第I巻 基礎
生理計測一般の解析手法:MATLABで学ぶ生体信号処理
表面筋電図のすべて:表面筋電図と筋音図を学ぶ人のために―計測・解析技術から医学・体力科学への応用まで
※生理計測に関して,他におすすめのサイトや本があれば是非お教えください。
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